“一体、結婚以来、何度引越しを経験したのだろう?”
ふとこんな事を考えて勘定してみると、今住んでいるこの家で、
9回住まいを替えている事になります。
結婚以前のものも入れると、その数は20回近くにも及びます。
私の人生はまるで流浪の民ジプシーの如く、転々と居住の場を変えているのです。
道理で飽きっぽい性格なのもこの所為なのかなぁ?
日本国内の引越し(転勤)であれば、家財道具一式(電気電圧が西日本で
は60サイクル、東日本では50サイクルの違いはあるものの)をそのまま移
動すれば済むのですが、海外への引越しは、規制や手続き、また経済的な
理由から随分面倒なものになります。
電流や規格の違い等で電気器具は現地調達しなければならず、引越し荷物
は会社が補助出来る容積制限がある為、かさ張る家具等はほとんど持参できません。
ましてや、車なんて、以ての外です。
どうしても持参したいピアノや車は自腹を切る事になります。(これは会社による)
それ故、マダマダ使える電気器具や車は、悲しくなる程安く叩き売り、
家具等は実家や倉庫で預かってもらうのが現状です。
帰国する際も此れと同じような手順を踏まされます。
通常、結婚したばかりの夫婦が全て真新しい家具や電気製品に囲まれ、
新しい生活を始める、、、人生ではそう何度も経験出来るものではない、
このウキウキした新鮮な生活を引越しの度毎に味わえるのですから、
幸せと言えばそうかも知れませんが、その都度、我が家の経済状態は圧迫されて
行くのです。
正に、誰が言ったのか知りませんが、引越し貧乏とはこの事!
車社会のアメリカやカナダでは、一家に2台以上は車が必要なので、
その出費の額も当然膨れ上がり、厳しいものとなるのです。
最初の海外転勤の国、パナマでは、自分達も若かった所為か、それ程ライフスタイル
にこだわりや関心も無く、仮住まい的意識で、家具つきコンドミニアムに4年半暮らしていました。
その家の大家一家にも大層可愛がられ、愉しい思い出が沢山あるパナマ生活だったのですが、
唯一残念だったのは、家のインテリアが私の好みでは無かった事に因る居心地の悪さでした。
仮住まいだから、我慢!我慢!何時もそう思って暮していました。
果たして、4年半は、仮住まいに相当する年数でしょうか?
前回の体験でこう考えた私は、今回のバンクーバーでの生活は、
絶対仮住まい的意識では暮らしたくは無い!、っと言う強い思いを持っていました。
人生における5〜6年は、とても貴重な時間です。
この様に、生活を一転できる絶好の機会に、色々な思惑と夢が交差し始めていたのでした。
とは言っても、残念な事に、こちらにも予算の枠が有るので、気に入った物、好きな物を
何でもかんでも買えると言う訳ではありません。
この思いが、私を散々な目に遭わせる事になろうとは、、、。
Move Part 2 に続く